コロナ禍や不安定な世界情勢など、ブランドオーナーにとっては調達におけるリスクが高いこの時代。情報力の有無がビジネスを左右するなか、株式会社ロッテがいかに商社のネットワークを活用しているのか、中央研究所の神山さんと包装資材担当の安澤さんにお話を伺いました。
市況に左右される菓子の包装材
供給安定化へ新たなスキームづくり
安澤:株式会社ロッテは日本の菓子メーカーですが、世界中で商品を販売しているため、海外にも拠点があります。現在はタイ、インドネシア、ベトナムなどに工場があり、そこでも菓子製品を製造しています。 三井物産パッケージングさんとは2013年からのお付き合いで、当時商品の紙の包材について、コストダウンやサプライヤーの拡大が課題になっており、ご相談したところ海外製紙メーカーを提案していただきました。そこからずっと取引きがあります。
神山:2017年にインドネシア国内の板紙市況が値上がりし、工場では箱にかかるコストに頭を悩ませていました。インドネシアは製紙大国であり、紙の国内市況は彼らの意向で影響受けることが多く、コストを安定させることが難しいという特有の事情がありました。今後のためにも新たな海外サプライヤーを確保しておく必要がありました。そこで、三井物産パッケージングさんに相談し、インドネシア向けの新たなスキームを提案してもらったんですね。
三井物産パッケージング 新川:インドネシアは製紙大国で、世界的にも紙の量産国です。国内には十分な量の紙があるにもかかわらず、当時は価格改定によって他国から輸入したほうがコストメリットがあるという状況でした。そこで、2013年にご紹介した韓国製紙メーカーをつなぐことにしたのです。さらにこのスキームをつくるには製紙メーカーだけでなく、箱に加工する印刷コンバーターさんのご協力も必要です。そこで、韓国からインドネシアへ板紙を三国間で輸出、インドネシアの印刷コンバーターさんで箱に加工する取り引きの形にしたのです。
神山:これで新しいスキームができました。我々だけでは海外製紙メーカーの供給枠を増やしたり、現地の印刷コンバーターさんとつないだりするのは難しい。品質も従来のものと引けを取らず、調達も安定したので、課題がクリアできました。
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