三井物産パッケージング株式会社三井物産パッケージング株式会社

アップサイクル2023.12.22

紙コップリサイクルで「ごみ」を「資源」に。
サステナブルなオフィスを目指す

プラス株式会社様

文具・事務用品、オフィス家具メーカー大手のプラス株式会社は、これまで自社オフィス内でのサステナビリティへの取り組みを積極的に行ってきました。さらにできることがないか探すなか、紙コップリサイクルの施策をスタート。その背景や成果について、サステナビリティ推進室の船山隆由さんと菅野杏子さんにお話を伺いました。

オフィスの廃棄物削減に着手 グループ横断でサステナビリティの取り組みを推進

紙コップ アップサイクル

船山:弊社は創業75年を迎え、文具・事務用品だけでなくオフィス家具やオフィス空間デザインの事業も手がけています。1991年に設立した産業複合施設「プラスランド」(群馬県前橋市)には、広大な自然の中に溶け込むように工場や物流センター、研修施設などの設備を備え、敷地内における植林や河川の清掃活動など、自然・地域との共生を目指したサステナビリティへの取り組みを行ってきました。

菅野:このように以前からサステナビリティを経営課題として重視していたのですが、社員への周知・啓蒙にあたっては、2015年に開始したグループ横断で企業理念を全社へ浸透させるためのプロジェクト「PLUSのココロひろめ大使」と共同で活動を実施しました。オフィスの廃棄物削減のため、マイカップやマイボトルの使用を促進したり、オリジナルのエコバッグを制作・配布したりなど、できる限りのことはしてきたのですが、さらにできることはないかと考えていたときに、今回のご提案をいただきました。

三井物産パッケージング 大池:プラス株式会社様のステーショナリーカンパニーの方が海洋プラスチック問題に取り組む団体に参加されていて、分科会で紙のリサイクルがテーマになったので、紙コップリサイクルの実証実験を開始することをご説明し、賛同いただきました。プラス様は以前から環境活動に積極的でしたので、すぐにご快諾いただけましたね。



社員はマイカップの使用を徹底
来客用の紙コップをリサイクルへ

三井物産パッケージング 大池:今回の実証実験は、オフィスに紙コップ回収専用ボックスを設置し、使用済みの紙コップを水でゆすいだあとに入れてもらいます。そのボックスを配送会社様に回収してもらい、協力業者様へ配送、そこにストックしておきます。一定量溜まったら製紙メーカー様の工場に送り、ダンボールの原料に作り替えるという流れになります。

製紙メーカー様の工場では、まず溶解設備で溶解し、古紙パルプにします。その後、ダンボール原紙製造設備で原紙に生まれ変わります。原紙はダンボール加工会社に送られ、新しいダンボールが誕生します。もとが紙コップであっても、品質には全く問題ないダンボールができるんです。

菅野:弊社は以前、プラスチック製のカップを使っていたので、まずはそれを紙製のものに切り替えました。それから、総務部門と相談して専用ボックスの設置場所や個数を決定。社員の目に留まるようにしたいという一方で、オフィス空間を提案する会社として、実際に働くオフィスをお客様にご覧いただくことも多いため、オフィス空間になじむようにしたかったんですね。バランスを考えながら、専用ボックスにポップをつけるなどの工夫をしました。また、社内Web掲示板で告知も並行して行い、周知を目指しました。

三井物産パッケージング 大池:回収に関するルール等は弊社より共有はさせて頂きましたが、社内へのアナウンスや周知方法に関しては菅野様にて工夫頂いたことで上手くいったのだと思います。これから参加される企業様にはプラス様の成功事例も当社から共有させて頂きたいですね。

菅野:始めてみて一番ネックだったのは、予想通り紙コップを洗う手間でした。使用済みの紙カップを回収してもらう際に、複数のボックスをひとつにまとめるのですが、最初の頃はその作業中に飲料が残っているものをいくつか発見しました。それから、パントリーに置いた専用ボックスが、一般のごみだと思われて業者さんに回収されてしまったというトラブルもありましたね。ダンボール製のボックスなので、ごみと間違えられないように装飾やポップをもっと工夫しなければと思いました。 それから、紙コップのリサイクル促進と並行して行ったのが、社員の紙コップ使用削減です。社員はなるべくマイカップやマイボトルを使用し、紙カップは来客用にするよう、社内に働きかけていきました。また、紙コップのケースの上に蓋を取り付け、使用抑止につながるよう工夫したりもしました。この専用ボックスはひと箱で400個の紙カップが入るのですが、現在は2~3か月に一度の回収サイクル。つまり1か月100~200個の紙カップを使用していることになります。以前と比較するとかなり削減できているのですが、今後はさらに認知を浸透させ、回収率を高めていきたいと思っています。

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